インタビューキャンペーン①:スピーチの可能性を探求して
日々、私たちメンバーは「さらなるスピーチ力の向上」を目指し、例会でさまざまなスピーチにトライしています。
そんな私たちメンバーはお互いのスピーチ・準備・工夫を尊重し合える仲間です。
このように、私たちはスピーチについて意見を交わす機会はよくありますが、
「お互いの仕事」「そもそもスピーチクラブに入ろうと思ったきっかけ」「スピーチを何に役立てていきたいか」などについては話す機会は実はありそうであまりなく、ということでこの度「インタビューキャンペーン」を企画してみました♪
このインタビューキャンペーンにより、単に「クラブ内のメンバー同士がお互いのことをよく知る」というような「内輪のメリット」だけでなく、お互いのビジネスの機会がクラブ内外で広がったり、さらには、例会のゲスト参加を考える皆様にも親近感を感じていただける機会にもなればと思っております!
では、インタビューキャンペーン第一弾:岩崎咲耶さんへのインタビューをご紹介いたします。
岩崎さんはいつも非常に安定感のある丁寧なスピーチをされる方で、クラブへの貢献・サポートもきめ細やか。
いつもクラブを支えてくれる非常に頼りになる方です!
スピーチの可能性を探求して——岩崎さんインタビュー
自分の「伝える力」と向き合う、その理由とは?
── 岩崎さんにとって「スピーチ」というのはやはりお仕事に関係があるんですか?
岩崎:そうですね。仕事のためだけにトーストマスターズ(Toastmasters)をやっているわけではないんですけれど、間接的には関わっているとは思っています。
── 以前、「場の雰囲気をよくしたい」というような理由から始められたとおっしゃってましたね。
岩崎:はい、まさにそれがきっかけでした。「人前で話す力を身につけたい」というのが最初の目的だったんですけど、それはある程度クリアできてきた感覚があります。
── 今は、また違うモチベーションで取り組まれているということですね。
岩崎:はい。トーストマスターズだけでなく、最近は講談やラジオなども始めていて、「人前で何かを発信すること」にどんどん興味が深まっているんです。以前はむしろ避けていたくらいなんですけど、今はその面白さを極めてみたいという思いが強いです。
仕事とスピーチの意外な接点
── そうなると、純粋に「伝える力」を高めたいという想いが軸にあるんですね。お仕事とはどのように関わっているのでしょうか?
岩崎:私は今、企業向けに若手・新人向けの「人間力ワークショップ」の企画・運営をしています。内容的にはスキルの習得よりも、個人の価値観や考え方を引き出すことに重点を置いてファシリテーションする機会が多いです。なので、「話し手の人間性」や「場を作る力」はすごく重要なんです。
── 確かに、それはスピーチの力とすごく重なりますね。
岩崎:そうなんです。特にトーストマスターズでは、自分の個人的な体験をベースにスピーチを組み立てますよね。自分の考えやその原体験を話す経験は、参加者の話を引き出す姿勢や、相手の話に耳を傾ける「聞く力」にもつながっていると思います。このように、実は「話すことと聞くことはセット」なんだと改めて感じているところです。
── それはまさにファシリテーションの本質に通じますね。
岩崎:はい、そう思います。トーストマスターズでも、TMOE(Toastmaster of the Evening)やスピーチへの論評の役割が好きです。TMOEは、場の進行や全体を俯瞰してまとめる役割、論評は、他のメンバーのスピーチに対して「それってこう言うことだよね」と自分なりの言葉で落とし込みながらリスペクトを伝えるのですが、そこでは「聞く力」も求められるのでやりがいがあります。
得意と苦手、その両方と向き合う
── 現時点で、スピーチに関して困っていることや、もう少しこうなればいいなという課題はありますか?
岩崎:そうですね。やっぱり「自分から新しくメッセージをつくる」ことが難しいと感じています。
── では、定形や既存の流れに沿って何かを進行したり、他の人の話にコメントすることなどはいかがですか?
岩崎:例えば、ワークショップの進行は構成が決まっているので、それを自分なりに回すことは得意ですし、「(スピーチへの)論評」のように聞いた話にフィードバックするのも好きなんです。でも、自分から新しいテーマやメッセージを発信することになると、やっぱり急にハードルが上がる感覚があります。
── ということは、仕事を新しい人に説明するときなどにもそれは影響しますか?
岩崎:まさにそうなんです。例えば、ワークショップの内容を初めての人に伝えるとき、「何をどう伝えればいいか」がすごく難しい。自分の活動の意味や価値を、誰かにちゃんと伝える力がまだ足りないと感じています。
「伝わった」という実感が欲しい
── 納得のいくスピーチができていない感覚があると以前おっしゃっていたことがありましたが、それはどんな時に感じますか?
岩崎:うまく話せていないわけではないと思うんです。でも、「ちゃんと伝わった」という手応えが持てない。聞き手が本当に面白いと感じてくれているか、共感してくれているのか、そこが見えづらくてモヤモヤすることがあります。
── 共感やリアクションって、話す側にとっても大きいですからね〜・・・。
岩崎:本当にそうなんです。自分が一方的に話して終わるのではなくて、「何か届いたな」「場が動いたな」っていう瞬間がもっと欲しいというか。それが今の自分にとってのテーマだと思っています。
── なるほど。そうすると例えば「SNSのフォロワーが何万人いる」というようなインフルエンサーではなく、岩崎さんの場合「数」ではなく、スピーチ・言葉によって誰かに何かを届けられるようなインフルエンサーが目指すところなのかもしれませんね。
岩崎:まさにそうですね。それが原点かもしれません。
これからの展望・ビジネスの方向性
── では、ここまでの話をふまえて、現在抱えている課題や、これからの展望について改めて聞かせてください。
岩崎:そうですね、もともとは、「場」を戸惑わせてしまうほどに自分が緊張してしまった経験があり、「何とかしないと」と思って入会したのですが、今はなんとなく「自分なりの雰囲気作り」ができるようになってきました。また、最近ではむしろ「自分のことをどう伝えるか」が課題だと感じています。
例えばトーストマスターズで準備スピーチを通して「伝える構成力」や「質問の活かし方」を鍛えたいと思っています。
── 今後のビジネスの方向性については、どのようなイメージを持っていますか?
岩崎:やはり「伝える力」を高めることで、若い人たちへのファシリテーションや集客にもつながってくると思います。それが最終的には事業の拡大にもつながるでしょうし、そこに向けて一歩ずつ進みたいですね。
── 拡大といっても、ただ規模を広げるのではなく、自分の思いと一致した方向での成長を目指しているんですね。
岩崎:そうです。そして、少し先の話になりますが、「仲間を増やす」ということもビジョンのひとつです。一緒に活動したいと思えるような“近しい仲間”が増えていくと、すごく楽しいと思うんです。
── それは会社の仲間として?それともパートナーとして?
岩崎:「会社の仲間として」というイメージですね。でも、ただ人を集めるというより、「その人たちと一緒に何かをやりたい」と思える関係性が大事です。そのためには「インフルエンスの価値」を共有できるかどうかがカギだと思っています。
── そのためには「まず自分自身がその人の夢や思いを理解し、支える姿勢が必要」ということですね。
岩崎:そうなんです。誰かの夢を支援することで、自分の夢も実現していく。この「共感と貢献の循環」を大切にしたいと思っています。
―― では、三鷹ビジネスやトーストマスターズクラブにご興味のある方・ゲスト参加に迷っている方にメッセージがあればお願いします。
はい。まず、三鷹ビジネスは国を超えてメンバーが参加していたり、「ビジネス」の仕方もいろいろであったりと、本当に多様な背景や考え方を持った人たちが集まっている場で、私はそこがとても面白いと思っています。
また、お互いの考え方や背景に、お互いが積極的に受容し、リスペクトしあっていて、それによってアットホームな雰囲気が生まれているので、安心・リラックスしてご参加いただけるかと思います。
―― 最後に、もし何か自由にお話されたいことがあれば、ぜひどうぞ。
そうですね、今日のインタビューを通して、改めて「自分はやっぱり“聞く力”と“表現する力”をもっと磨きたい」と感じたのは大きな気づきでした。
これからの自分を考える上でも、その2つはやっぱり大切だなって思いましたし、それを再認識できたのはすごく良かったです。
―― 聞く力を、どう話す力に変えていくか。これって本当に大きなテーマですよね。
本当にそう思います。聞くことが好きだからこそ、「話すこと」を極めたいと思えるようになったのかもしれません。
―― 僕も、今まさにその“落とし込み”の途中です。話す力を高めるって、実はたくさんの小さなテクニックや工夫が必要なんですよね。
そうですよね。だけど、そのプロセスを仲間と一緒にやれるのがこの場の良さでもあります。「ここはこうだよね」って言い合いながら、切磋琢磨できる関係性。
―― 本当にその通りですね。人って、なかなか変われないからこそ、こうやって反復して、意識的に取り組むことが大切なんだと思います。
はい。今日のこのインタビューも、まさにそういう気づきの場でした。今後もし、私が逆にインタビューする側になったら、また違った発見があるかもしれませんね。
編集後記
岩崎さんのインタビューを通じ、人前で話すことを通じて、自分の考えや価値観を深め、他者の言葉に真摯に耳を傾ける。そんな姿勢が、岩崎さんの仕事にも、そしてこれからの人生にも深くつながっているのだと感じました。
素敵なお話をありがとうございました。